【不動産の現場から】
40年やってわかってきた
「良い物件」とは?〜プロが語る物件選びと業界の裏側〜
不動産営業を始めてから、あっという間に40年が過ぎました。札幌での法人向け賃貸仲介からスタートし、マンション建設メーカーで土地取得にも関わり、独立してからは35年。今では不動産仲介はもちろん、リフォーム、特殊清掃、特殊工事まで幅広く携わっています。
そんな中で「いい物件ってどう見分ければいいの?」という質問を、今でもよく受けます。答えは一つじゃありませんが、経験上言えることは、「表面だけ見て決めないこと」。特に賃貸や売買では、見た目や家賃、価格だけで判断してしまう方が多いですが、実は“その先”を見るのが大事なんです。
たとえば、立地が良くても近隣トラブルの多い地域だったり、築浅でも施工の質が悪かったり。そういった情報はチラシやネットには載ってきません。私たちのように現場で何十年も動いてきた人間には、「ああ、ここは管理が甘いな」「このオーナーさんは対応が誠実だな」といった“見えない部分”が見えてきます。
実際に、海外から「日本に不動産を買いたい」という相談を受けることもありますが、そういうときこそ、物件だけでなく、その地域性や将来的なリスクも含めて丁寧に説明するようにしています。
物件選びにおいてもう一つ大切なのは、「メンテナンスのしやすさ」です。私は今、建物のリフォームや特殊清掃、特殊工事も手がけていますが、長く快適に住み続けるには、いかに手入れがしやすいか、修繕がしやすいかが重要になります。
最近は、アパートや戸建を所有しているオーナーさんから、「どこを直せば入居者が入りやすくなるか」といったご相談も増えてきました。そういう時は、見栄えだけでなく、機能性や清潔感など、住む人目線でアドバイスするようにしています。
この仕事を通じて、本当にたくさんの人と出会ってきました。一期一会の精神で、ひとつひとつのご縁を大切にしてきたからこそ、今も現場に立ち続けられているのかもしれません。
これからも、不動産に興味のある方、建物の維持管理に悩んでいる方に向けて、役立つ情報を発信していきたいと思います。次回は、リフォーム現場の裏話や「こんな工夫で空室対策が成功した!」という実例などもご紹介できればと思っています。